IMG_4895
IMG_4898

ついにこの日を迎えた。
全国高校サッカー選手権の、福岡県代表の座を懸けた決勝。
その舞台に立ったのは、6年連続出場を目指す東福岡高校(以下、東福岡)と、
10年ぶりの出場を狙う筑陽学園(以下、筑陽)との対戦となった。

ここまでの勝ち上がりは、東福岡は初戦の飯塚高校をPK戦の末勝利すると、
準々決勝の高稜、準決勝の東海大学付属福岡戦と、2試合続けての逆転勝利。
苦しい戦いが続いたが、土壇場で底力を見せ、ここまで勝ち上がって来た。

対する筑陽は初戦の八幡戦で大勝したあと、準々決勝の誠修戦は1点差を凌ぎ切り勝利。
準決勝の九州国際大学付属高校戦では、0−0で迎えた延長戦を制し、決勝に駒を進めた。

福岡県の高校サッカーファンの方はご存知だろうが、この決勝の組み合わせは、県内の
大会では6大会連続となる。平成29、30年の新人大会、インターハイ予選、そして
昨年の選手権大会。いずれも東福岡が勝利し、筑陽の前に立ちはだかり続けた。

これまでの雪辱に燃える筑陽と、王者として君臨し続ける東福岡との決勝戦は、
福岡県No.1を決めるに相応しい、お互いのプライドを懸けた、1点を争う
素晴らしい好ゲームとなった。

IMG_4908

IMG_4934


東福岡高校 スタメン
GK 1 松田 亮 
DF 2 中村 拓海 3 中西 渉真 4 西田 翔央 15 丸山 海大 
MF 6 中村 拓也(C)8 野寄 和哉 14 青木 俊輔 16 牧山 晃政 18 荒木 遼太郎
FW 9 大森 真吾
IMG_4933

筑陽学園 スタメン
GK 1野中 友椰
DF
 2 中垣 翔己 3 吉村 颯真 4 栗原 幸一郎 18 今坂 駿吾
MF 7 井手口 蓮 8 井伊 凜太朗 9 古賀 勇貴 20 古賀 敬仁 
FW 10 赤石 匠(C)11 高原 夕輝

先週行われた準決勝から、筑陽はスターティングメンバーは変わらず。
対する東福岡は、16番の牧山選手が復帰と、ほぼ変わらずのメンバーが、
この大舞台のピッチに立った。 
先に仕掛けたのは筑陽だった。
開始2分に、得意のカウンターを仕掛けると、7番井手口選手がドリブルで持ち込み、
20番古賀選手がスルーパスを通すが、惜しくも11番高原選手には渡らず。
東福岡も得意のサイド攻撃から、準決勝に続き、この決勝でもスタメンを勝ち取った1年生、
14番青木選手の縦への突破から、度々チャンスを作り、2番の中村選手がミドルシュート
を放つなど攻め込むが、なかなか筑陽ゴールを脅かすまでには至らず。 

東福岡にボールを持たれながらも、しっかりラインを作って守り、得点のチャンスを伺い続けた
筑陽は、13分には右からのスローイングを一度はクリアされるも、2番中垣選手がドリブルで
仕掛け右コーナーキック。
さらに15分にも、右サイドで20番古賀選手がチャンスを作り、高原選手が繋いで、
9番の古賀選手がシュートレンジに入るが、東福岡ディフェンダーにクリアされ、
チャンスを生かせず。
対する東福岡も、左サイドで6番のキャプテン中村選手がドリブルでペナルティーエリア
まで持ち込むと、ヒールパスで後ろから走り込んだ8番野寄選手が思い切り良くシュート。
筑陽ディフェンダーに当たり、コースが変わるが、2年生で筑陽ゴールを守る野中選手が
見事な反応でセーブし、相手の決定機を防ぐ。
32分にも左サイドで繋いで、最後は9番大森選手が倒れこみながらシュートまで持って行くが、
このシュートも野中選手が正面でがっちり防ぎ、ゴールを奪えずにいた。

守備陣の踏ん張りに、先制ゴールで応えたい筑陽攻撃陣だったが、そのチャンスを遂に
モノにする。
32分、早いチェックから、相手エリアでボールを奪うとショートカウンターを仕掛け、
9番古賀選手が倒れこみながらペナルティーエリア内にスルーパスを通すと、そこに抜け出した
10番のキャプテン赤司選手が左足で流し込みゴール。
待望の先取点、貴重な先制ゴールは、筑陽のキャプテンによってもたらされた。 
IMG_4966

3試合連続で、追いかける立場となった東福岡。
でもそこはここまでの経験もあり、慌てる素振りは見せず。
37分には、左サイドからの野寄選手のクロスに、18番荒木選手が裏に抜けシュートを放つが、
野中選手がブロック。またもチームのピンチを救った。

1点では安心出来ない筑陽も、前半最後にビックチャンスを迎える。
左サイドで得たフリーキックのチャンスに、相手のクリアボールを拾った20番古賀選手が
シュートを放つが、惜しくも左に逸れ、絶好の追加点のチャンスを逃してしまう。
ここで前半はタイムアップ。アディショナルタイムも無いほど、スリリングな展開だった前半は、 
1−0と筑陽がリードして終えた。 

追加点か同点ゴール。次の1点の行方が、試合を大きく動かしそうに感じた後半。
後半ホイッスルと同時に、追加点を狙った筑陽は、高原選手のスルーパスに20番古賀選手が
抜け出すも、王者東福岡のゴールを守る松田選手ががっちりキャッチ。
良い入りだった筑陽だったが、東福岡も直ぐさま反撃に出て、遂に筑陽ゴールをこじ開ける。
6番中村選手と青木選手が左サイドでチャンスを伺い、中村選手がクロスを上げるがクリアされる。
一度はクリアされたが、後方からパスを繋ぎ、右サイドから2番中村選手がゴール前にクロスを送る。
大森選手が相手ディフェンダーを引きつけると、空いたスペースに後ろから走り込んだ6番
中村選手が見事なトラップからシュートを流し込み、東福岡もキャプテンがしっかり決め、
1−1の同点に追いつく。
IMG_4997

同時に追いつかれた筑陽は、直ぐに円陣を組み、もう一度意思統一。
東福岡の攻撃の時間帯が続ぎ、大森選手のヘディングシュート、野寄選手のシュートと、
立て続けにピンチを迎えるが、何とか持ちこたえる。
勝ち越しゴールを目指す筑陽は、得意のスピードを活かし、サイドで起点を作る高原選手。
チャンスは作るものの、ゴールキーパー松田選手、攻守においてチームを支える荒木選手の前に
防がれ、シュートまで持ち込めない。

逆転を目指す東福岡も、21分に交代で入った20番境選手が右サイドからチャンスを作り、
ゴール前にクロス。野中選手はパンチングで逃れるが、クリアボールを荒木選手がシュート。
枠内への素晴らしいシュートだったが、こちらも筑陽の中盤の要8番の井伊選手がブロックし、
逆転ゴールを許さない。
これで得た右コーナーキックのチャンスも、ファーサイドで15番丸山選手に折り返され、
ゴール前は混線になるが、何とか必死のクリアで逃れる。

東福岡は攻撃の切り札7番の福田選手も投入しており、何とか80分以内で決着をつけるべく、
猛攻を仕掛け、終了間際に中盤でボールを拾った福田選手から、左サイドを駆け上がって来た
青木選手へラストパス。勢いそのままに、振り抜いた左足からのシュートは、惜しくも右ゴールポスト
に弾かれ、勝ち越しゴールとは成らず。
アディショナルタイム4分でもゴールは生まれず、白熱の決勝戦は延長戦へと持ち込まれた。

10分ハーフの延長戦。
重く重くのしかかるゴール。全国へと繋ぐゴールは、1年生のシンデレラボーイの足によって、
東福岡にもたらされる。
後方からカウンターを仕掛け、右サイドで大森選手が相手のマークに合いながらも、しっかりキープ。
中央に走り込んだ福田選手にボールを預けると、相手守備陣を充分に引きつけ、左サイドの
荒木選手へラストパス。荒木選手は、コンパクトに左足を振り抜き、シュートをゴール左に突き刺す。
IMG_5036

追いかける立場となった筑陽は、7分に井手口選手のスルーパスから、赤司選手がシュートまで
持ち込むが、松田選手に防がれ天を仰ぐ。 
9分にも後方からのパスに、途中出場の6番小川選手が頭で逸らし、高原選手が抜け出すが、
惜しくもオフサイドの判定。
延長後半には、途中出場していた14番深松選手を左サイド、中央には赤司選手。
高原選手を右サイドに置き、トップ下には井手口選手を配置し、超攻撃的布陣を敷き、最後の
攻撃に打って出る。
しかし、アディショナルタイム1分も経過し、ラストワンプレーに懸ける筑陽。
井手口選手が、左サイドに流れていたキャプテンの赤司選手へパスを送るが、東福岡の5番岩城選手が辛うじて先に触り、タッチラインに逃れる。
ここで主審のホイッスルが、レベルファイブスタジアムに鳴り響く。

先制されながらも、3試合連続の逆転勝利を収めた東福岡高校が、2年に渡ってリベンジを
挑み続けた筑陽学園を退け、6年連続20回目の優勝を飾った。 
IMG_5055

インターハイ予選では、試合を重ねる毎に強さを取り戻していった東福岡。
今大会では、苦しい戦いが続いたが、最後には強さを見せつけて福岡県の頂点に立った。
全国の舞台でも、この強靭な粘り強さで、3年ぶりの全国制覇へ上り詰めて頂きたい。

福岡県大会 結果
http://fukuoka-fa.com/wp-content/uploads/sites/3/2018/11/30選手権二次結果2.pdf 
その他の試合写真はコチラ ↓
https://www.instagram.com/cross_football_fukuoka/