
選手権大会が終わって2週間。
福岡も随分冬らしく寒くなり、またこの場所で予選が始まるんじゃないかと
思えた福岡フットボールセンターの景色。隣のコートでは、全国への切符を賭けて、
U−12の大会が行われていた。
全国への夢が断たれた3年生の多くは部活を引退し、それぞれの道を歩み始めていると
思うが、まだ別の戦いが続いている学校もある。
プリンスリーグ九州で戦う、筑陽学園と九州国際大学付属高校である。
ここまでのリーグ戦、筑陽学園は7位、そして九州国際大学付属高校は9位。
残り2節となったリーグ戦の、最後のホームゲーム。
引退を控える3年生と、その背中を見て戦えるのも僅かとなった1、2年生。
それぞれの想いが交錯する中、2つの試合のキックオフの笛がなった。
11時にキックオフされたのは、ここまで首位を独走中のサガン鳥栖U−18(以下、鳥栖)
を迎え撃つ筑陽学園(以下、筑陽)との対戦。
鳥栖はここまで16試合で最多得点の80得点と、1試合平均5点を奪う攻撃力も持ち味だが、
守備も最小失点と、このリーグでは群を抜いている存在。
春に行われたサニックス杯でも3位と、その実力に疑いの余地はなかっただけに、
この成績もうなずける。
そんな強豪相手に、県大会準優勝校の筑陽が、どんな戦いを見せてくれるのかに注目した。

筑陽学園 スタメン
GK 1野中 友椰
DF 2 中垣 翔己 3 吉村 颯真 4 栗原 幸一郎 18 今坂 駿吾
MF 7 井手口 蓮 8 井伊 凜太朗 9 古賀 勇貴 20 古賀 敬仁
FW 10 赤石 匠 12 河津 弘朋

サガン鳥栖U−18 スタメン
GK 1 板橋 洋青
DF 2 林 幸多郎 23 野村 佳楠
MF 3 大畑 歩夢 6 盧 泰曄 7 兵働 透生 8 松岡 大起
11 三好 辰典 13 本田 風智 14 山口 隆希
FW 9 秀島 悠太
キックオフと同時に、筑陽ゴールに襲い掛かる鳥栖は、7分に7番兵働選手のドリブルで
得た、右コーナーキック付近からのフリーキックのチャンス。
ショートコーナーからゴール前にクロスを上げるが、筑陽のゴールキーパー野中選手の
パンチングの前に防がれる。

13分にも、中盤で細かくパスを繋いでシュートまで持って行くが、惜しくも右ポストに
弾かれてしまう。
最初の猛攻を凌いだ筑陽も、17分に7番井手口選手が得たフリーキックのチャンスから、
混線の中から溢れて来たボールに、最後は20番古賀選手がシュートを放つが、鳥栖守備陣も
体を張ってブロック。

素早い帰陣で、自陣にブロックを敷く筑陽相手に、ボールは保持するものの、出しどころが無く、
なかなか攻撃にリズムが生まれない鳥栖。
それでも、28分には右コーナーキックから14番山口選手、29分には流れの中から
2番林選手と立て続けに惜しいシュートを放つも、ゴールには結びつかず。
31分には、前からのプレッシングで敵陣でボールを奪い、ショートカウンターから13番
本田選手が豪華なシュートを打つが、守護神野中選手が横っ飛びでセーブ。
最後の所を絶対にやらせない、集中した守備を見せる筑陽のディフェンス陣。

すると徐々に攻撃にもリズムが生まれ、37分にはコーナーキック。
40分には流れの中からチャンスを作るが、シュートまでは持って行けず。
このまま両チーム無得点で、前半を終えると思われたアディショナルタイム。
その僅かな隙を見逃さなかった鳥栖が、ついにゴールを奪い均衡を破る。

残り僅かの時間でも、ゴールを奪う事を止めなかった鳥栖は、カウンターから山口選手の
スルーパスに抜け出した11番三好選手が、ドリブルからゴール左隅に突き刺さるシュート
を決め先取点。鳥栖にとっては、攻めあぐねていただけに最高の形で前半を終えた。

前半終了間際の失点で、追いかける立場となった筑陽。
後半開始から鳥栖ゴールに攻め込み、左コーナーキック付近からのフリーキックのチャンス。
ゴール前に上がったボールに、4番栗原選手が頭で合わせるが、鳥栖のゴールキーパー
板橋選手ががっちりキャッチ。
5分にも、中盤で相手のミスからボールを奪いショートカウンター。スルーパスに
抜け出した10番赤司選手が倒され、フリーキックのチャンスを得るも生かせず。
流れが来ていただけに、この時間帯にどうしてもゴールが奪いたかった筑陽だったが、
その願いは、9番古賀選手の左足によって叶えられる。

6分、ゴール正面の絶好の位置からのフリーキック。左足から放たれたシュートは、
綺麗な弧を描きながら右ポスト内側に当たり、そのままゴールに吸い込まれる、
ビューティフルな同点ゴールで、筑陽が試合を振り出しに戻す。

同点に追いつかれ、少し攻撃も停滞していた鳥栖ベンチは、選手交代でこの状況を打破すべく
手を打って来る。

後半20分に、得点ランキング5位でアシストでは1位の10番石井選手を投入。
すると、絶妙なポジションでボールを受け、素早いボール回しを見せる石井選手。
36分には後方から繋いで、最後は左サイドからのクロスに最後は自らシュートを放つ
石井選手。これは惜しくもゴールキーパー野中選手の正面を突くが、攻撃にリズムが生まれ、
徐々に鳥栖に流れが傾いて行く。
すると39分、右サイドを走る兵働選手に見事なスルーパスを通すと、そこからの
ゴール前に折り返されたボールに、中央を走り込んだリーグ得点王の9番秀島がダイレクトで
合わせ、ついに鳥栖が2−1と勝ち越し。

さらに畳み掛ける鳥栖は、その1分後にも、秀島選手が後方からのパスを抜群のキープ力で
タメを作ると、最後は11番三好選手がゴールを決め駄目押しの3点目。
ホーム最終戦で負けられない筑陽は、フォワードの11番高原選手を投入し、最後の
反撃に出るが力及ばずタイムアップ。
サガン鳥栖U−18は、首位の貫禄を見せつけて3−1で勝利。
次週鹿児島で行われる最終節は、リーグ3位で選手権大会宮崎県代表の日章学園と対戦。

敗れた筑陽学園は、今日九州国際大学付属高校が敗れた、大分トリニータU−18と対戦。
最後は勝利で締めて、チーム全員が笑顔で終えられる事を心の底から望んでいる。

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公式記録
http://football-system.jp/fss/pubGameResultConf.php
高円宮杯 JFA U−18サッカープリンスリーグ2018九州 日程
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