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『2019年度 第98回 全国高校サッカー選手権大会 福岡大会 二次予選』が開幕してから4週間が経ち、出場していた24校も5校まで減り、残された試合も4と、大会のクライマックスへと、確実に向かっている。
これから1日1試合しか取材出来ず、一抹の寂しさは感じてしまうが、残された選手達の時間を、最後までしっかり伝えて行きたい。

11月9日の今日行われた試合は、準決勝で待つ東福岡高等学校の挑戦権を賭けた戦い。
「高稜高等学校×東海大学付属福岡高等学校」の一戦が、北九州市八幡西区の本城陸上競技場で行われた。
ここまで2試合を戦って、7得点無失点と波に乗っている高稜高等学校(以下、高稜)に対し、初戦となった武蔵台高等学校戦に、試合中盤までは苦しみながらも、最後は力の差を見せつけて勝ち上がった、東海大学付属福岡高等学校(以下、東海)。
同じ県リーグ1部に所属する、両校の今季の対戦成績は1勝1分と、高稜に分があった。
試合は、勢いに乗るチームを表す様な展開だったが、最後は奪還に燃える古豪が、壁となって立ちはだかった。

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高稜高等学校 スタメン
GK 1 前田 涼嘉 
DF 3 立花 結友 11 柏木 陽 17 染川 匠 19 生田 蓮
MF 6 吉水 隆人 12 兼森 淳司
FW 4 佐藤 琳 8 川野 友輔 10 藤 海太(C)25 岩崎 港

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東海大学付属福岡高等学校 スタメン
GK 1 李 到烔  
DF 2 高橋 輝 3 中山 駿 4 早川 峻央 
MF 6 工藤 和真 7 山川 泰尚 8 山根 優汰 22 甲斐 翔逹
FW 5 前田 光 11 小川 真尋 18 瀬川 瑠樹

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6分に、高稜はセンターサークル付近のフリーキックのチャンスを得るが、25番岩崎選手のゴール前に上げたボールは、東海の守護神李選手が落ち着いてキャッチ。
対する東海も7分、中盤から裏に抜けた8番山根選手にボールが渡るが、惜しくもオフサイドの判定に。
試合序盤から、静かながらも攻守の切り替えの早い両校。
ここまで勝ち上がって来た者だけに分かる、独特な緊張感で試合が進む中、高稜は思わぬ形で先取点を奪う事に成功する。
12分、フリーキックのチャンスを得た高稜は、前線の10番藤選手に合わせたボールを送るが、李選手に難無くキャッチされたかに思われたが、先に失点だけは許されない状況に、堅守の李選手が思わずファンブル。そこに最後まで詰めていた、藤選手がボールをかっさらうと、そのままゴールに流し込み、貴重な先取点が高稜に入る。
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今まで沢山の堅守で、チームのピンチを救ってくれた守護神の為にも、早く追いつきたい東海。
21分には、18番瀬川選手が強引に中へ切れ込み、シュートまで持って行くが、惜しくもゴール左へ。
23分には、後方からのボールに抜け出した、5番前田選手が決定機を迎えるが、高稜の守護神前田選手が抜群の反応で防ぎ、チームのピンチを救う。
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しっかりブロックを作ってから、機を見てカウンターを仕掛けて来る高稜に、ボールは保持出来るものの、徐々にシュートまで持って行けなくなる東海。
24分には、カウンターから25番岩崎選手に突破を許し、スルーパスに反応した8番川野選手がシュート。ボールはゴールマウスを捉えていたが、東海も最後の所でブロックし、ピンチを逃れる。
狙い通り無失点で凌ぐ高稜に、38分、追加点のチャンスが訪れる。
中盤から、左サイドに流れていた10番藤選手にボールが渡ると、ディフェンダーに囲まれながらも、抜群のキープ力から振り切りシュートを放つが、李選手にがっちり正面でキャッチされてしまう。

追加点は奪えなかったが、前半も残り時間わずか。このまま高稜リードで終えると思われた時、東海にスーパーゴールが生まれ、試合を振り出しに戻す。
前半最後の猛攻を仕掛け、ゴール前にボールを送り続ける東海。高稜守備陣は、何度も何度も跳ね返すが、クリアボールを拾った東海は、11番小川選手が遠い位置にも関わらず左足一閃。ボールはゴール右上隅に突き刺さる同点ゴール。
嫌な流れになりそうな所で、ギリギリ引き戻した東海が追いつき、前半は1−1の同点で終える。
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振り出しに戻った展開に、高稜は後半頭から7番上島選手、9番徳永選手を投入。
傾きかけた相手への流れを引き戻したかったが、後半主導権を握ったのは、前半追いついた東海だった。
18分、左サイドから5番前田選手が逆サイドに振ると、2番高橋選手の高速クロスに、8番山根選手がゴール前に飛び込むも、惜しくも一歩及ばず。
攻勢を掛け続ける東海は、高稜を追し込み続けると、22分、遂に逆転に成功する。
中盤で、8番山根選手が相手に倒されながらもボールを繋ぐと、ラストパスは相手に引っかかるものの、最後は5分前に投入されたばかりの12番大賀選手が、冷静にゴール右隅に突き刺し2−1に。
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形勢を逆転されたとは言え、まだ1点差。高稜も追いつくべく反撃に出る。
34分、センターサークル付近で得たフリーキックのチャンス。ゴール前に上げたボールはクリアされるが、拾い直して左に振ると、7番上島選手が左足からシュートを放つが、東海守備陣がラインギリギリでクリア。
試合終了間際にも、中盤からの浮き玉のパスに反応した、上島選手が走り込みながら右足で合わせるが、惜しくもシュートはゴール上に外れてしまう。
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終盤ピンチを招いた東海だったが、それを全員で集中して切り抜けると、後半40分、カウンターから抜け出した12番大賀選手が、この日2点目となるゴールを決め、試合にピリオドを打つ。
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いわゆる4強の牙城を崩すべく、今季の相性、今大会の勢いで東海に挑んだ高稜高等学校。先制しながらも最後は、越えられそうで越えられない壁に、最後は涙を吞む結果となった。
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準決勝進出を決めた東海大学付属福岡高等学校は11月27日に、新人戦、そしてインターハイ予選の準決勝で破れた東福岡高等学校に挑む。 
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