令和6年7月29日(月)
『第48回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会』
準決勝 川崎フロンターレU-18×アビスパ福岡U-18
17:00 キックオフ 会場 味の素フィールド西が丘
試合結果
川崎フロンターレU-18 1ー1 アビスパ福岡U-18
PK戦(9ー8)
⚽️63分 ㉒武本 匠平(アビスパ福岡U−18)
⚽️80+3分 ⑤土屋 櫂大(川崎フロンターレU-18)
大会特別サイト
笑われるかもしれないが、大会前から本気でこのチームは優勝出来ると思っていた。前半のリーグ終盤から急激に成長して行ったチームは宮崎ラウンドでの試合毎に、その成長スピードを加速させて行き。チームの東京行きが決まった試合後は確信に変わっていたので、後悔したくないと思い、私も東京行きを決めた。だからこそ、まだちょっと受け入れられない自分があるし、何から書けば良いか時間が掛かってしまった。
ただコメントを編集していると、敗戦を受け入れ。すでに先を見ているチームの姿に、心の整理が私もつく事がやっと出来た。
宮崎ラウンドでのグループリーグ、そして準々決勝を4連勝という最高の形で乗り越え、準決勝、決勝の舞台味の素フィールド西が丘にやって来たアビスパ福岡U−18(以下、アビスパ)。準決勝の相手は、悪天候の為日程が変則になった中首位で突破。準々決勝も4−0という見事な戦いで準決勝に駒を進めた、プレミアリーグEASTで現在2位の川崎フロンターレU-18(以下、フロンターレ)。
ユース最高峰のプレミアリーグに所属するフロンターレ相手に、今のアビスパがどこまで通用し、どんな戦いで勝利をもぎ取るのかに注目していたが。最後の最後に相手の底力を見せつけられ、PK戦の末フロンターレが決勝に駒を進めた。
準決勝のアビスパのスタメンは、グループリーグ2試合目からの不動のメンバーで構成され、この大一番に挑んだ。試合早々のフロンターレの攻撃を凌ぎ、最初にチャンスを作ったのはアビスパ。5分に左サイドでフリーキックのチャンスを掴むが、10番楢崎選手のゴール前に送ったボールは味方には合わず。その3分後には、中盤の位置で奪ったボールを左サイドに展開。22番武本選手から受けたボールを、9番前田選手がゴール前に折り返すも、フロンターレのゴールキーパー松澤選手がキャッチ。
序盤こそ互角だったボール保持率だったが、徐々に懐の深いフロンターレのボール回しに、アビスパはボールが奪えず。9分、左サイドから繋いだボールを右に展開すると、2番柴田選手はゴール前に送るが。アビスパも必死にクリアで逃れる。その2分後には左サイドの高い位置でパスカットした、7番加治佐選手が中へ切れ込みシュートするも、ゴール上に外してしまう。
ゲームの流れを掴みたいアビスパは16分。狙った形で、中盤の高い位置でボールを奪うと、9番前田選手がドリブルからシュートまで持って行くが、こちらもゴール上へ。
フロンターレは18分、長いボール回しから左へ展開しクロス。中央で2年生フォワードの17番恩田選手が頭で合わせるも、これもゴール上に外してしまい、先制点とはならず。
20分過ぎに、3分のクーリングブレイクで、もう一度戦い方を整理した両チーム。30分には中央からのスルーパスに17番恩田選手が抜け出すも、アビスパの守護神足立選手が先に素早くキャッチ。36分には左コーナーキックからアビスパゴールに迫るも、体を張ってコースを消すアビスパ選手の前に、フロンターレは押し込めず。
苦しい時間帯を磨き上げて来た守備で凌いだアビスパは39分。中盤で26番小浦選手がパスをカットすると、その小浦選手の存在のおかげで急激に成長して行った22番武本選手が、得意のドリブル突破からクロスを上げるも、フロンターレの松澤選手がしっかりキャッチ。アディショナルタイムに入った40分プラス2分にも、鋭い読みでパスカットした小浦選手。今度は一気に右にサイドチェンジしたボールは、15番井上選手に綺麗に渡り、そこから9番前田選手が粘って右コーナーキックを獲得するも。この時間帯に失点出来ないフロンターレも、しっかりと集中した守備で跳ね返し、アビスパにゴールを許さず。前半は両チームスコアレスで、ハーフタイムを迎えた。
後半に入ると、守備を修正したアビスパの前にフロンターレも出しどころが見つけられず、徐々にアビスパに流れが傾いて行った。51分には奪い返したボールを、ディフェンス裏に抜けた9番前田選手に渡りシュートするも、フロンターレのゴールキーパー松澤選手が何とかセーブし右コーナーキックに。コーナーキックは押し込めなかったものの、スローイングを得たアビスパ。10番楢崎選手のマイナスに送ったボールを、ライン上ギリギリでペナルティーエリアに進入した5番池田選手。シュートに行くものの相手ディフェンダーに当たり、このチャンスを押し込めず。55分には左サイドを駆け上がった22番武本選手のクロスに、中央に走り込んで来た28番中村選手が頭で合わせるも左ポスト直撃。跳ね返りを9番前田選手が押し込むも、ここも松澤選手にセーブされゴールを奪えないアビスパ。
すると57分、フロンターレが中盤で奪い返しカウンターを仕掛ける。中央で11番児玉選手がドリブルで運ぶと、左サイドを駆け上がって来た15番関選手がグラウンダーのクロス。ゴール前には2人の選手がニアとファーに入るが、先に失点だけは避けたいアビスパも体を張って阻止。
59分過ぎに飲水タイムが設けられ、両チームに残されたのは約20分。80分で決着がつかない場合は即PK戦。両チームの素晴らしい攻防に、それで決着をつけるには勿体ないゲームだと思った63分。中盤の守備で存在感を発揮していた男の一振りが、膠着したゲームを動かした。
何度もゴール前に送ったボールは、フロンターレ守備陣に跳ね返されるが、相手コートの高い位置まで上がって、アビスパの4番甲斐選手が頭で再び相手ゴールに送り込む。フロンターレ守備陣のクリアが小さくなったのを拾ったのは、アビスパの28番中村選手。ペナルティーエリア外から放ったシュートは、ドライブが掛かった様にゴールに吸い込まれるビューティフルゴールで、アビスパが喉から手がでるほど欲しかった先取点を奪う。
追い掛ける立場となったフロンターレは69分。右からのクロスに、17番恩田選手、25番平内選手がゴール前に飛び込むも、この決定機を決められない。さらに攻撃のギアを上げて来たフロンターレに、アビスパも5−4−1の様な守備システムで対抗。奪ってからカウンターを狙うが、リスクを追ってでも高い位置で奪い返しに来るフロンターレに、徐々に押し込まれて行く。87分には左からの25番平内選手のクロスに、中央で途中出場の9番香取選手が頭で合わせるも、ゴールキーパー正面。すぐさまアビスパベンチも動き、30番樺島選手を投入しさらにゴール前を強固にし、フロンターレの猛攻を凌ぎ続ける。
第4審判が掲げたアディショナルタイムの表示は4。これを凌げばアビスパ決勝進出と思われた、残り1分。自陣から繋げたボールを9番香取選手が右へ展開。ゴール前に送られたクロスに、斜めに走り込んで来たフロンターレのキャプテン5番土屋選手が意地のヘッドで流し込み、土壇場でフロンターレが同点に追いつく。
両チームのエンブレムの誇りを懸けた戦い。意地と意地の魂のこもった戦いは、このまま1−1のままタイムアップ。勝負の行方はペナルティーキック戦へと委ねられた。
8人目まで、両チーム全員が成功するというハイレベルの戦い。9人目までフロンターレは成功させるが、アビスパはゴールキーパー松澤選手に止められ、熱戦にピリオドが打たれた。
1本終わるたびに、ずっと自分と向き合っていた松澤選手。80分の中でも何度もアビスパの決定機を阻止し、相手チームながら脱帽と言わざる得ない。
川崎フロンターレU-18相手に、土俵際まで追い込んだアビスパ福岡U-18。勝利はスルリと手からすり抜けて行ったし、残念ながら3位に終わった。それでもこの一週間の熱い戦い。胸を震わせてくれたプレーは、トップチームが掲げる「勝ちと感動を」多くの人々に届けてくれた。
「プレミア昇格」とすでに次の目標を定めていた池田獅大主将の顔は、120%戦った者だからこそ出せる、凛とした表情を見せていた。今度はその約束を果たせてもらえる様に、今からスケジュールを空けて待っている。
『第48回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会』
準決勝 川崎フロンターレU-18×アビスパ福岡U-18
17:00 キックオフ 会場 味の素フィールド西が丘
試合結果
川崎フロンターレU-18 1ー1 アビスパ福岡U-18
PK戦(9ー8)
⚽️63分 ㉒武本 匠平(アビスパ福岡U−18)
⚽️80+3分 ⑤土屋 櫂大(川崎フロンターレU-18)
大会特別サイト
GK 16 松澤 成音
DF 2 柴田 翔太郎 4 林 駿佑 5 土屋 櫂大©️ 15 関 徳晴
MF 7 加治佐 海 8 知久 陽輝 10 矢越 幹都 11 児玉 昌太郎 23 楠田 遙希
FW 17 恩田 裕太郎GK 1 足立 陸矩
DF 4 甲斐 竣大 5 池田 獅大©️ 25 藤川 虎三 26 小浦 拓実
MF 10 楢崎 佑馬 15 井上 雄太 22 武本 匠平 28 中村 環太
FW 9 前田 一翔 32 サニブラウン アブデルハナン笑われるかもしれないが、大会前から本気でこのチームは優勝出来ると思っていた。前半のリーグ終盤から急激に成長して行ったチームは宮崎ラウンドでの試合毎に、その成長スピードを加速させて行き。チームの東京行きが決まった試合後は確信に変わっていたので、後悔したくないと思い、私も東京行きを決めた。だからこそ、まだちょっと受け入れられない自分があるし、何から書けば良いか時間が掛かってしまった。
ただコメントを編集していると、敗戦を受け入れ。すでに先を見ているチームの姿に、心の整理が私もつく事がやっと出来た。
宮崎ラウンドでのグループリーグ、そして準々決勝を4連勝という最高の形で乗り越え、準決勝、決勝の舞台味の素フィールド西が丘にやって来たアビスパ福岡U−18(以下、アビスパ)。準決勝の相手は、悪天候の為日程が変則になった中首位で突破。準々決勝も4−0という見事な戦いで準決勝に駒を進めた、プレミアリーグEASTで現在2位の川崎フロンターレU-18(以下、フロンターレ)。
ユース最高峰のプレミアリーグに所属するフロンターレ相手に、今のアビスパがどこまで通用し、どんな戦いで勝利をもぎ取るのかに注目していたが。最後の最後に相手の底力を見せつけられ、PK戦の末フロンターレが決勝に駒を進めた。
準決勝のアビスパのスタメンは、グループリーグ2試合目からの不動のメンバーで構成され、この大一番に挑んだ。試合早々のフロンターレの攻撃を凌ぎ、最初にチャンスを作ったのはアビスパ。5分に左サイドでフリーキックのチャンスを掴むが、10番楢崎選手のゴール前に送ったボールは味方には合わず。その3分後には、中盤の位置で奪ったボールを左サイドに展開。22番武本選手から受けたボールを、9番前田選手がゴール前に折り返すも、フロンターレのゴールキーパー松澤選手がキャッチ。
序盤こそ互角だったボール保持率だったが、徐々に懐の深いフロンターレのボール回しに、アビスパはボールが奪えず。9分、左サイドから繋いだボールを右に展開すると、2番柴田選手はゴール前に送るが。アビスパも必死にクリアで逃れる。その2分後には左サイドの高い位置でパスカットした、7番加治佐選手が中へ切れ込みシュートするも、ゴール上に外してしまう。
ゲームの流れを掴みたいアビスパは16分。狙った形で、中盤の高い位置でボールを奪うと、9番前田選手がドリブルからシュートまで持って行くが、こちらもゴール上へ。
フロンターレは18分、長いボール回しから左へ展開しクロス。中央で2年生フォワードの17番恩田選手が頭で合わせるも、これもゴール上に外してしまい、先制点とはならず。
20分過ぎに、3分のクーリングブレイクで、もう一度戦い方を整理した両チーム。30分には中央からのスルーパスに17番恩田選手が抜け出すも、アビスパの守護神足立選手が先に素早くキャッチ。36分には左コーナーキックからアビスパゴールに迫るも、体を張ってコースを消すアビスパ選手の前に、フロンターレは押し込めず。
苦しい時間帯を磨き上げて来た守備で凌いだアビスパは39分。中盤で26番小浦選手がパスをカットすると、その小浦選手の存在のおかげで急激に成長して行った22番武本選手が、得意のドリブル突破からクロスを上げるも、フロンターレの松澤選手がしっかりキャッチ。アディショナルタイムに入った40分プラス2分にも、鋭い読みでパスカットした小浦選手。今度は一気に右にサイドチェンジしたボールは、15番井上選手に綺麗に渡り、そこから9番前田選手が粘って右コーナーキックを獲得するも。この時間帯に失点出来ないフロンターレも、しっかりと集中した守備で跳ね返し、アビスパにゴールを許さず。前半は両チームスコアレスで、ハーフタイムを迎えた。
後半に入ると、守備を修正したアビスパの前にフロンターレも出しどころが見つけられず、徐々にアビスパに流れが傾いて行った。51分には奪い返したボールを、ディフェンス裏に抜けた9番前田選手に渡りシュートするも、フロンターレのゴールキーパー松澤選手が何とかセーブし右コーナーキックに。コーナーキックは押し込めなかったものの、スローイングを得たアビスパ。10番楢崎選手のマイナスに送ったボールを、ライン上ギリギリでペナルティーエリアに進入した5番池田選手。シュートに行くものの相手ディフェンダーに当たり、このチャンスを押し込めず。55分には左サイドを駆け上がった22番武本選手のクロスに、中央に走り込んで来た28番中村選手が頭で合わせるも左ポスト直撃。跳ね返りを9番前田選手が押し込むも、ここも松澤選手にセーブされゴールを奪えないアビスパ。
すると57分、フロンターレが中盤で奪い返しカウンターを仕掛ける。中央で11番児玉選手がドリブルで運ぶと、左サイドを駆け上がって来た15番関選手がグラウンダーのクロス。ゴール前には2人の選手がニアとファーに入るが、先に失点だけは避けたいアビスパも体を張って阻止。
59分過ぎに飲水タイムが設けられ、両チームに残されたのは約20分。80分で決着がつかない場合は即PK戦。両チームの素晴らしい攻防に、それで決着をつけるには勿体ないゲームだと思った63分。中盤の守備で存在感を発揮していた男の一振りが、膠着したゲームを動かした。
何度もゴール前に送ったボールは、フロンターレ守備陣に跳ね返されるが、相手コートの高い位置まで上がって、アビスパの4番甲斐選手が頭で再び相手ゴールに送り込む。フロンターレ守備陣のクリアが小さくなったのを拾ったのは、アビスパの28番中村選手。ペナルティーエリア外から放ったシュートは、ドライブが掛かった様にゴールに吸い込まれるビューティフルゴールで、アビスパが喉から手がでるほど欲しかった先取点を奪う。
追い掛ける立場となったフロンターレは69分。右からのクロスに、17番恩田選手、25番平内選手がゴール前に飛び込むも、この決定機を決められない。さらに攻撃のギアを上げて来たフロンターレに、アビスパも5−4−1の様な守備システムで対抗。奪ってからカウンターを狙うが、リスクを追ってでも高い位置で奪い返しに来るフロンターレに、徐々に押し込まれて行く。87分には左からの25番平内選手のクロスに、中央で途中出場の9番香取選手が頭で合わせるも、ゴールキーパー正面。すぐさまアビスパベンチも動き、30番樺島選手を投入しさらにゴール前を強固にし、フロンターレの猛攻を凌ぎ続ける。
第4審判が掲げたアディショナルタイムの表示は4。これを凌げばアビスパ決勝進出と思われた、残り1分。自陣から繋げたボールを9番香取選手が右へ展開。ゴール前に送られたクロスに、斜めに走り込んで来たフロンターレのキャプテン5番土屋選手が意地のヘッドで流し込み、土壇場でフロンターレが同点に追いつく。
両チームのエンブレムの誇りを懸けた戦い。意地と意地の魂のこもった戦いは、このまま1−1のままタイムアップ。勝負の行方はペナルティーキック戦へと委ねられた。
8人目まで、両チーム全員が成功するというハイレベルの戦い。9人目までフロンターレは成功させるが、アビスパはゴールキーパー松澤選手に止められ、熱戦にピリオドが打たれた。
1本終わるたびに、ずっと自分と向き合っていた松澤選手。80分の中でも何度もアビスパの決定機を阻止し、相手チームながら脱帽と言わざる得ない。
川崎フロンターレU-18相手に、土俵際まで追い込んだアビスパ福岡U-18。勝利はスルリと手からすり抜けて行ったし、残念ながら3位に終わった。それでもこの一週間の熱い戦い。胸を震わせてくれたプレーは、トップチームが掲げる「勝ちと感動を」多くの人々に届けてくれた。
「プレミア昇格」とすでに次の目標を定めていた池田獅大主将の顔は、120%戦った者だからこそ出せる、凛とした表情を見せていた。今度はその約束を果たせてもらえる様に、今からスケジュールを空けて待っている。